百草夏百種展 後篇

2018 8/11 Sat — 8/19 Sun / 11:00 — 18:00

内田京子 / 高橋禎彦 / 安藤雅信 / PETER IVY KOBO / トラネコボンボン / conte / KAY BOJESEN / ふじっこパン / 百草衣生活研究処 / 菓子ここのつ / 大坊珈琲店

2018年夏に ももぐさで おこなう
いろいろなもの(ももくさ=百種)の 展覧会
前篇は、持つもの・身に着けるものを中心に。
後篇は、茶と食に関わるものを中心に。

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内田京子/高橋禎彦/安藤雅信

カップ/ピッチャー他

内田京子 プロフィール
1969年 三重県四日市市に生まれる
1990年 愛知県立瀬戸窯業高校専攻科修了
1994年 初個展

◎京子さんとは、お互いに第二子がお腹の中に居るとき、ある展覧会会場で初めてお会いしました。美人で可愛らしく優しい印象で「陶芸作家」と紹介された時に意外に思ったほどでした。数年経ち子育てが一段落した頃、一枚のDMに目が釘付けになりました。それは京子さんの2001年ブリキ星での初個展でした。有機的な優しい曲線を描く手びねりの花入れの写真。同じ子育て中にあって、焦りを感じ大きな刺激を受けました。以来、三人の子育てをしつつ日本一(といって良いほど)多忙な陶芸作家の夫を支えつつ、来客の絶えない中の制作、どんな状況の中でも京子さんの手になるものは、一度もぶれることなく変わらず、かたち美しく優しく力強い、嫌なものの一切ない器でした。そして2015年11月、地元四日市に夫・内田鋼一氏によるBanko Archive Design Museum開館。内田夫妻にしかできない本当に素晴らしいミュージアムとカフェ、ここでも支え続ける京子さんの存在は大変大きいのですが、決して自分を大きく見せようとはせず、陰で淡々と分を尽くす姿は変わりません。そんな多忙な中、貴重な作品が届きます。写真は十年来愛用の私物ですが、是非お手に取っていただき、それぞれの出逢いを、どうか楽しみにいらしてください。
美しい姿で優しく力強い、嫌なものの一切ない…加えて解説すると、包容力があり、わざとらしくこれ見よがしな所の一切ない作品。それは京子さんそのものです。(A)

高橋禎彦 プロフィール
1958年、池袋にて生まれる。
父の転勤で新潟、名古屋二ヶ所、小樽二ヶ所、桜木町、大船と転校を続ける。
小5でガットギターを買ってもらい、以来ギターに触っていると落ち着く。
多摩美大を受験、立体デザイン科に入学するが、なじめず、音楽事務所のボーヤを経て舞台照明の下働きをするようになる。
3年次にガラスを選択する機会があり、京都の世界クラフト会議で海外のガラス作家のデモとレクチャーを見てすっかりはまる。
卒業後、デンマークの作家の紹介で、ドイツの工房でアシスタントをして二年間過ごす。
帰国後、神奈川県津久井郡(現在は相模原市)に移住、工房をつくり現在に至る。
はじめはアメリカのスタジオグラスを意識した制作をしていたが、90年に鯉江良二の制作を手伝う機会があり、刺激を受けて、自分なりのうつわの制作をはじめる。
以来いちばん単純化した吹きガラスのプロセスをいろいろためしている。

◎高橋さんの片口はすっと尖ったくちばしと切れの良さが特徴。細いくちばしを通って注がれるのを見ていると、涼やかでうっとりします。
水差しやデカンタ、コーディアルや冷たいハーブティなどに丁度良い大きめのサイズと、茶海としてお使い頂ける大きさも、特注にて作っていただきました。水色が美しく映え、お茶席の景色に涼を添えます。(沸騰したお湯を直接注ぐのはお避け下さい。茶壺を通してからの少し冷めたお湯であれば、破損することはありません。)
一つ一つの形の異なるグラスたちは、コップとして日常に。またリキュールグラスやショットグラスを茶杯にも。欠品しておりました赤ワイン用のグラスも間に合わせて頂きました。

安藤雅信の器
いつも二階の展示室にてご覧頂いていますが、今回は中国茶、コーヒーの器やドリッパーと新作ポット、夏にこそ映える銀彩の器などをご用意しました。

PETER IVY KOBO

高橋みどりさんと作るガラス器のシリーズ

2014年11月 百草個展の際のピーター・アイビー年表より
2013
スタイリストの高橋みどりさんと始めた工房コレクション"KOBO"を発表
デザインするにあたり、みどりさんの使いたい器案をもとにサンプルを作り、それを実際にみどりさんに使ってもらう
そしてまたその感想をもとにサンプルを作るという作業の繰り返しを行った
時間のかかる地道な作業となったが、私にとって器をよく知る彼女と仕事をすることはとてもいい経験になった
このKOBOラインを通じて私の工房で働くみんなに安定した技術的な基礎と、私が人生の中で集めた吹きガラスの知識を伝えていきたい
それが私の目標でもあります

◎ピーター・アイビーのガラスを愛する人々の、より日常的に使いたい、という思いを形にしてくれたKOBOシリーズ。みどりさんの必要を満たすと共に、多くの人にとっても必要を満たすものとなった。
汎用性のある基本の形と大きさのバリエーション。繊細だが配慮しつつ日常に使える厚み、スタッキング可能、蓋にも皿・トレイにもなる木皿。
手に取って頂ける貴重な機会、皆さんの生活の必要に合わせたアイテムを、一点一点の違いを楽しみに出会っていただけますように。(A)

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トラネコボンボン

琺瑯製品

◎世界中の美味しい料理や、人懐こい動物たちのイラストで
みんなの気持ちをいつもわくわくさせてくれる、
旅するレストラン・トラネコボンボン主宰の中西なちおさん。
監修は、伝統と今の時代の暮らしに寄り添うものづくりを続ける倉敷意匠研究室。
琺瑯のお弁当箱や、蚊帳生地の布巾、
ちょっとした書き物や贈り物を彩るシール・テープなど、
なちおさんの遊び心いっぱいのイラストが楽しいアイテムに心躍ります。(O)

ホームページ

conte

まかないシリーズ

「賄い|巻かない」と二つの意味の込められた、ステンレスボウル/蓋にもなるトレイ(丸バット)/パンチングの水切りトレイ(平ザル)のシリーズ。
「巻かない」とは、縁を「巻かない」仕上げのこと。洗い上げたボウルの水切れのみならず、どこから注いでも水が切れるという口いらずの角度の仕掛けには驚く。
そしてミキシングのしやすい細身のフォルム。是非一度ボウル小で卵をかき混ぜてみて欲しい。病みつきになるに違いない。
深さもあるので、省スペースでありながら驚くほどの包容力である。細く底面が小さいため不安定なのでは、と思いきや、腰部分のステンレスを厚くして重みを持たせてあるという。細やかな心配りに驚嘆する。恐るべし、そして誇るべきmade in Japan である。(A)

◎conteはステンレス加工の一大産地、新潟県燕ならではの道具を作るブランドです

製造:一菱金属株式会社  デザイン:小野里奈  監修:日野明子

こんなボウルに出会いたかったという一品。縁がないので洗うのも簡単。深さがあり混ぜやすく少し重量感もあり安定しています。そして所作が美しくみえる。「平ザル」と「丸バット」を組み合わせるとさらに使い勝手が広がります。たくさんの工夫が詰まったボウルなのです。(O)

新製品のオイルポットもご覧頂けます

KAY BOJESEN

カトラリー

Kay Bojesenは1886年生まれのデンマーク人。
20歳の頃から4年間にわたりGeorg Jensen(ジョージ・ジェンセン)で働いたのち、コペンハーゲンで銀細工師としての道を歩み始めました。
もともとシルバーカトラリーとしてデザインされたこのシリーズは、デンマークの戦時状況下、カトラリーの素材である銀の供給が難しくなった為、当初でも工業デザイン商品の素材としては珍しい「ステンレス」を用いてシルバーカトラリーをもとにデザインされました。このステンレスカトラリーが世界に名を馳せたのは1951年のミラノの国際的なコンテストでのことです。最優秀賞に選ばれた彼のカトラリーはこのときGrand Prixと名付けられました。
製品が発売されるや、デンマーク中で大きな反響を呼び起こすこととなりました。品質の確かさ、人を魅了する美しいデザインは発売開始より50年を過ぎたいまも色あせることなく、デンマーク王室御用達として、そして世界各国のデンマーク大使館において、変わらず愛用され続けています。こうした彼の功績を称え、1991年5月22日には、王室御用達品のカトラリーが記念切手となって発行されることとなりました。
日本での製造を依頼されたのもまさにこの年、1991年。それからステンレスカトラリーは新潟県燕市の大泉物産工場で製造され、全世界で愛用されています。(大泉物産ホームページより抜粋)

カイ・ボイスンのスプーン
初めてのカイ・ボイスンはジャムスプーンでした。柄が短めで櫂先が大きく、ボデガやガラスの小鉢によそったヨーグルトなどを頂く時などに重宝しています。
最近出会い感動したカイ・ボイスンのコーヒースプーン。細身で華奢、かき混ぜることに特化した大きさ・形は、小振りな器に機能だけでなく景色を作ってくれます。たいへん美しいスプーンです。
器と用途にあわせてカトラリーを選ぶとき、実物を見、手に取る機会は貴重です。上記のコーヒースプーンを手にしたときに感じた美しさと感動は、web上や紙のカタログでは発見できないものでした。今後百草で、カイ・ボイスンの全ての種類が揃い、今回がスタートとなります。是非じっくりとお選び頂けますように。
これ以上ないシンプルで美しい形と繊細さは、デザインもさることながら、忠実に形にできる技術力の素晴らしさゆえだと思います。それらを持続させていくためにも、お使い頂き、美しさとクオリティを堪能して頂ければ幸いです。(A)

ふじっこぱん

グラノーラ

ふじっこぱん プロフィール
国産小麦と自家製天然酵母のぱんとお菓子

お母さんがこどもに選ぶような、優しい素材を選んでいます。
2002年三重県亀山市に開店、一時休業後2011年より同県菰野町にて再開。
月に三日間のみの工房販売他、大好きなお店、イベントを中心に販売をしています。
販売情報はふじっこぱんで検索の上、ブログかfacebookでご確認ください。

ふじっこぱんのグラノラ
ぱんに使うオーガニックのフルーツとナッツをたっぷり贅沢に、優しい香りのメープルシュガーや黒糖を使い、低温でじっくり焼き上げます。
ごろごろ大きなサイズのクリスピータイプですので、そのままぽりぽりコーヒーのお供に、牛乳はもちろん、アイスクリームや水切りヨーグルトとの相性も抜群です。

「珈琲屋」写真展

場所:百草 土間・口の間
写真:菅野健児
提供:新潮社

2018年5月に新潮社より出版された「珈琲屋」を記念し、
3回の対談の際に撮られた写真の中より、展示いたします。

「珈琲屋」
東京・表参道の『大坊珈琲店』と福岡・赤坂の『珈琲美美(びみ)』――国内外で尊敬を集める、同い年のふたり。この東西の対談を「再現」する。豆をどう扱うか。この一杯を淹れる意味は。店には何が必要か? 美術、音楽、訪れるお客さんたち、そして、「生きる」とは。珈琲という共通語でつながるすべての人に贈る。(新潮社ホームページより抜粋)
(『大坊珈琲店』は2013年12月、ビルの老朽化による取り壊しのため、惜しまれつつも閉店。『珈琲美美(びみ)』の森光宗男さんは2016年12月ネルドリップ普及セミナーの帰途、韓国の仁川空港にて倒れ、急逝。
対談第一回目は、2013年10月珈琲美美にて。二回目は、約一ヶ月後に閉店を控えた大坊珈琲店にて。三回目は、大坊珈琲店閉店約一ヶ月余り後、珈琲美美にて。)

「珈琲屋」出版記念 | 大坊珈琲店 in 百草

8/18 Sat 13:00 — 17:00
8/19 Sun 12:00 — 16:00
百草 白い小屋

「大坊珈琲店」が百草に。
口の間から続く[白い小屋]に設えた、客席とカウンター。
大坊勝次さんが、ネルドリップで珈琲を淹れて下さいます。
どうか楽しみにいらして下さい。

百草[板の間]レジカウンターにて茶券をお求め頂き、順番にご入室下さい。
お待たせしてしまう場合は、「珈琲屋」写真展(土間・口の間)、百草夏百種展(一階展示)、二階常設展示室をご覧になっていて下さい。(順番になりましたらお呼び致します)

書籍販売
「珈琲屋」 大坊勝次・森光宗男 著
「大坊珈琲店」改訂版 大坊勝次 著
「モカにはじまり」産地紀行編 森光宗男 著
「モカにはじまり」焙煎・抽出・美美編 森光宗男 著
「大坊珈琲の時間」大坊勝次・キムホノ 著

mish☆mash third 2018.07.01#067 より Kadokami Takeshi
静かな興奮のあとには、涙腺が緩む。これは『珈琲屋』(新潮社刊)という単行本を読んだ感想である。「大坊珈琲店」の大坊勝次さんと「珈琲美美」の森光宗男さんの対談集。自家焙煎・ネルドリップ・深煎りという世界に人生を費やした二人が語る言葉には深さと重み、慈しみがみちあふれていた。ネルドリップについて「独特の『間』の取り方があるわけです」「珈琲を淹れる『間』を待つ時間、あれが大切だと思います」などという言葉が交錯する。大坊さんは、平野遼という画家のことを話せば、森光さんは作家の稲垣足穂さんのことを語る。そして「人は表現することで、自分が生かされていることに気づく」「私自身を一つの塊と考えたとき、画家の平野の言葉を借りるならば『闇でも光でもない』。だって人間はそうでしょう」など。編集担当の小坂章子さんという女性は、コーヒー業界には欠かせない書き手で、彼女の情熱と冷静な視点なしでは成立しない一冊でもある。(門上 武司|フードコラムニスト)

百草衣生活研究処

夏の百草サロン/百草オリジナル布製品 ガーゼのもの

夏には特に汗取りとして出番の多いガーゼ手ぬぐい。食器の水分をサッと拭き取り、拡げておけば乾きも早く、いやな匂いにならない、食器拭きにお薦めの大判ハンカチ。携帯用ハンカチとして、冷たい飲み物のコースターとして、茶席やコーヒーを淹れる時に便利なミニハンカチなど、用途に合わせた選び方をご案内いたします。
また残暑も厳しいもよう、引き続き夏から秋にかけての新作の衣もお楽しみ下さい。サロンの涼しく穿く工夫をお伝えしますので、いつでもお声掛け下さいませ。

ももぐさカフェ

百草夏種展限定ランチメニューをお楽しみ下さい。
・ルヴァンのパンとOVS特製スプレッドを使用したしめじサンド
・季節の野菜サラダ
・生ハム添え
・人参ラペ
・茄子のポタージュ
・山仲農園さんの梨

特製かき氷もお召し上がりいただけます。(数が限られているため、売り切れとなる場合がございます。)
・「菓子屋ここのつ」の夏向きの粒餡を使った焙じ茶金時氷
・梅シロップ氷

Events

菓子屋ここのつ × 安藤雅信 「中国茶会」

(ご予約の受付は終了しました)

中国茶・台湾茶 三種
糧菓(りょうか|菓子と料理の境界線のない一皿)三種

日時  8/11, 12 11:00—13:00, 14:30—16:30
会場  百草

「糧菓」 料理でもなく菓子でもない 料理と菓子のあわい
菓子屋ここのつの溝口実穂さんと組んで中国茶会や茶事をするようになり2年近くになる。
中国茶の場合は一度の茶会で三種のお菓子をお願いするが、お茶との相性はもちろんのこと、ひとつの物語になるように組み合わせる趣向に毎回驚かされる。そして限りなく料理に近い御菓子であり、御菓子に近い料理とも言える。
その器遣い・盛りつけ・順序組みがどれも素晴らしく、茶会が終わったあとの余韻と満足度は半端無い。
濃いここのつファンが輩出する所以であろう。

美味しさを加減し常にトータルでの完成へ持って行く、「御菓子」という領域に留まらない彼女の菓子に「糧菓」という名を付けた。若き才能の行く末が楽しみである。
灼熱の「夏百(なつもも)」での一期一会。

菓子屋ここのつ 溝口実穂 プロフィール
1991年2月 埼玉県生まれ。
大好きな祖母と餡子を炊くことに夢中な幼少期。
餡子をより美味しく炊く方法や食べ合わせなどを考える事が日常。
自分で作った菓子が人に喜んでもらえる事を知る。
2009年 食物栄養科の短期大学で2年間栄養学を学ぶ
2011年 栄養士 公務員として中学校へ就職
しかし、幼少期からの餡子熱・豆好きが冷めあらぬ事に気付き、すぐに転職を考える。
和菓子専攻卒業でなくとも和菓子製造で働かせていただける和菓子屋を探し回る。
2012年 東京の和菓子屋へ転職
しかし、東京の和菓子屋だけでは物足りず、京都の菓子屋にもお世話になる。東京と京都を行ったり来たり。夢追う貧乏暇なし21歳。
2014年10月 「 菓子屋ここのつ 茶寮(和菓子のコース) 」始動
2015年4月 和菓子屋 退職・菓子屋ここのつとして独立
2017年 淡交社より発売の月刊誌「なごみ」にて連載「 ここのつ菓子暦 」1年間担当。
2018年 「 菓子屋ここのつ 菓子集 」写真集を製作中。2021年完成予定。

「珈琲屋」出版記念 | 大坊珈琲店 in 百草

8/18 Sat 13:00 — 17:00
8/19 Sun 12:00 — 16:00
百草 白い小屋

詳しくは「展示」大坊珈琲店の項目をご覧ください。

アクセス

詳しくは百草ホームページをご覧ください。