ギャルリももぐさ/百草
作品/百草
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森北 伸 個

2015.3.7(土)- 29(日)
11:00 - 18:00

作家在廊日|3.7(土)8(日)

休廊日|3.10(火)18(水)26(木)

森北 伸 アーティストトーク
日 時 3月7日(土)15:00より
場 所 百草にて
参加費 無料

 
     

In My Life
中国に「読書三余」という古い言葉がある。読書をするのに適した時をさし、一年のうちでは冬、一日のうちでは夜、天気は雨であるという。僕は夏でも長ズボンをはくようになった中学時代から、この三余の時が好きになった。今でも日曜日の雨が一番のお気に入りである。三余というと余り物のような印象があるが、この三つの時は、活動期と活動期の狭間にある単なる移行期ではなく、どこにも属さない禅で言うところの「虚」に近い。余分なものが何も無い状態でありながら、そこには可能性が山ほどあるというような。どこにも属していないということが重要で、定まらない地点から、いつも社会を見つめている、その位置が三余であると思う。虚は未完成を意味し、伸びしろであるが故、豊饒なのだ。
 制作中のBGMに、毎日のようにビートルズを流している森北君が、今展のタイトルに選んだのが「In My Life」。ジョンの生い立ちからくる寂しさと、これからの希望を感じさせるこの曲の歌詞は、「虚」の位置から「実」を求め続けたジョンを象徴している。森北君の作品にもそういえば、似たような「虚」や「余」を感じることがある。それは一体何であろう。
 先ず彫刻と絵画の両刀遣いの作家は珍しい上に、その間に壁がない。絵画は彫刻を写真に撮って平面で見ているようだし、彫刻は絵画を立体にしたのかのようである。両方ともが彫刻と絵画の狭間にあって、どちらにも属さず、観る側の既成概念をあざ笑うかのようにちゃんと存在している。また、彫刻にしろ絵画にしろ余白が多い。彫刻作品に余白という言葉は使わないが、彫刻の表面が余白だらけなのである。手跡とか素材感を見せる訳でなく、かといって厳しい形を見せるわけでもない、ぼんやりとそこに佇んでいるかのような立体作品であるのに、現代人のような存在感を有する。
 また、彼の表現しているものすべてが、僕が学んできた美術観を覆してくれる。新しい表現が古臭い西洋美術観を蹴散らし、現代に違和感なく存在することが素晴らしいと思うし、何が生まれてくるだろうとわくわくしてくる。「先に構想を練ってから制作すると、作業になってしまって詰まらない。」と彼は言う。吐きだしているのは僕と同じ二酸化炭素だが、もう吸っている空気が違うのだろう。

 百草の企画展も世代交代が始まった。展示を持って完成となる森北君の作品が、百草に流れる空気を変えてくれることを願っている。 

 
百草 安藤雅信  
     
     
 
森北伸
1969  

名古屋市の今池に生まれる

    幼少期は、非常におとなしく友達と遊びたがらなかった。一人、レゴで遊ぶか本屋で立ち読みをするのを好んだ。
1977   絵の得意な兄に立方体の描き方を教わり、絵を描く楽しさを覚える。
1979  

モネの画集から、風刺画を模写するようになる。 

1980  

お年玉でパステル100色セットを買い、モネのパステル画を模写する。

1983  

故 石川彦男先生のアトリエにてデッサンを習う。

    高校時代は絵が好きなことも忘れ、卒業後には会社員になると思っていたが、パンクロックの洗礼を受け、自由に生きていきたいと願うようになる。
1985   友達の誘われるまま、何となく近くの画塾に入る。当時の先生は奈良美智、栗木義夫、何となく現在も友人。
1986   何となく彫刻科の美大受験、合格する。
1988  

無事、大学を卒業し、フリーターをしながら作家活動をする。時折、奈良美智、栗木義夫らの制作の手伝いをして、様々なことを学んだ気がする。

2004  

hollly wood buddy furnitureの宮嶋浩嘉と友達になり、家具などプロダクト製品に興味を持つようになる。

2005   多治見に移り住む。隣の隣の隣が安藤さん宅だった。2009年の「土から生える」展で知り合い、現在に至る。
     
  パブリックコレクションとして、十和田市現代美術館、愛知県美術館、豊田市美術館、ザクセン州立美術館(ドイツ)、トヨタ自動車、シルパコーン大学(タイ)があり、賞歴として石田財団芸術奨励賞、愛知県芸術文化奨励 文化新人賞、名古屋市芸術 芸術奨励賞を受賞している。



 
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