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百草冬百種展「高知から」
2006 1月28日(土)〜2月12日(日)
11:00〜18:00
会期中無休

作家在廊日 1/28日(土)・29日(日)


ももぐさカフェ
百草冬百種展「高知から」メニューはこちらをご覧下さい
池田 かよ 帽子
岩谷 雪子 箒・かご・オブジェ
小野 哲平
早川 ユミ 服しごと
boncoin アンティーク
牧野 富太郎 直筆画・画集
松林 誠 版画
松林 由味子 インスタレーション
山崎 道 絵画
boncoin 小野 哲平 池田 かよ 早川 ユミ 松林 誠
松林 由味子 岩谷 雪子 山崎 道
海に向かって
 福岡県に続いて、県別百草冬百種展第二弾は高知県である。司馬遼太郎がアイデンティティという言葉を「お里」と訳していたが、確かにギャラリーに来るお客さんは城下町の人が多くなるほどなと思う。お里といえる土地柄は、数百年掛かって出来てきたものである。生きていく方便としてその土地に帰属するよう自分を染めていくのか、人柄の足下部分は土地柄に染まっていく。
 お里は田舎とは限らず、前回の福岡、今回の高知と都会の方がむしろ残っていたりする。初めて高知市を訪れた時は驚いた。平日の昼間からお酒を飲んでいる人がたむろしていて健康的な街だなと思っていたら、夜になって更に沢山の酔っぱらいがお祭りのように、ふらふらしながらどんどん繰り出してきた。とにかく活気がある所だ。そして、おしゃれな人と店が多い。今回の参加者のうち、店舗を自身で構えている帽子の池田さん「ザザ・シャポー」と、フランスアンティークの松村夫妻「ボンコアン」は、尋ねるのがいつも楽しみな店である。池田さんの造形力と素材の使い方にハッとさせられ、帽子の世界の奥深さを教えて貰った。「ボンコアン」の品揃えは、夫婦それぞれの感性の違いが生かされ、フランス在住だけあって生活感が漂ってくる。
 全国的に中心地が寂れていく中、高知は古いバーや喫茶店が老舗として存在している。若者も年寄りも元気。日曜市の品揃えはとても面白いが、それは行ってみてのお楽しみ。
 現代美術の作品が調和している「セブンデイズホテルプラス」にいつも泊まる。階段の踊り場と各部屋の版画を全部担当したのが、松林誠さん。一見子供が描いた絵のように見えるが、題材も線も全く迷いがなく鋭い。色づかいも斬新である。伴侶の由味子さんは、植物にリボンを結びまくるインスタレーション。今回は室内で何を結んでくれるか楽しみ。乾いた植物を使うのは、岩谷雪子さん。箒職人から学んだ箒各種は、繊細で美しく使うのが楽しくなる。それに加え植物のオブジェ群は、現代美術としての可能性を感じる。
 高知県人ではないが、どんと山の上に居を構えているのが小野哲平・早川ユミ夫妻。周りに若い物作りたちが集まり始めて、新しい拠点になりそう。哲平さんは陶器。高知に移り住んで、形が洗練され使い心地もあたたかい。ユミさんの服はちくちくと手間を掛けて、愛情のこもった現代の刺し子のようだ。
 三方を山に囲まれているのに閉じ籠もらず、意識は子供の眼のまま純粋に海の向こうに何かを見ているのが土佐の人。その代表が山崎道さん。透き通った心の目で描いた絵だ。精神的な柱は何と言っても牧野富太郎博士。私利私欲にまみれず、明治時代に植物体系を自分の足と手で作り上げた在野の巨匠である。坂本龍馬も高知展に呼びたいのだが・・・。
百草 安藤雅信
池田 かよ
1951年高知生まれ。1970年サロン・ド・シャポー学院。1972年婦人帽子銀座ボーグアトリエ勤務。1980年ZAZA CHAPEAU(ザザ・シャポー)アトリエ兼ショップ開店。高知大丸美術画廊 京都イシス 松山ギャラリータナカ 広島三越等にて個展。
岩谷 雪子
1958年札幌生まれ。1981年武蔵野美術大学日本画科卒。1982年高知へ。1993年会社を辞め、本格的にかごを作り始める。1998年箒を作り始める。街路樹の枝を柄に使った箒、楮の皮や蔓で編んだかご等の生活用具を作るかたわら、空き地、川岸で採ってきた草を用いて小さな立体造形物を制作している。
小野 哲平
1958年生まれ。1978年備前にて弟子となる。1980年沖縄知花にて弟子となる。1982年常滑鯉江良二さんの弟子となる。1984年アジアの弟子となり、タイ・ラオス・ベトナム・インド・ネパール・インドネシア・マレーシアを行ったり、来たりの旅人。1986年タイ・バンコクのシラパコーン美術大学にて制作展覧会。1995年マレーシア・マラ工業大学にて制作展覧会。1997年タイ・ナコーンラチャシマ近くのダァンクェーン村の亀の窯にて制作。1998年高知の山のてっぺんのライステラス(棚田)のまんなかに移住。
早川 ユミ
1957年生まれ。1983年アジアのくにぐにを旅する。アジアの手紡ぎ手織の布たちに出会う。タイの農村の暮らしや「生きるための芸術運動」の歌い手・詩人・絵描きの人々に出会う。1984年子ども造形教室の日々。1985年常滑の小さな山の中で、小さな畑を耕しながら、子育ての日々。1988年「種びとたちの夢みるところ」個展(ギャラリー玄海)。1989年タイにて布絵展。1998年高知で畑と果樹園を棚田に作る。2003年インドでアユルヴェーダに感動。2004年インドへ出掛け、ゴアのアンジュナのバザール参加を夢見る。
boncoin
1998年、高知にOPEN。以後、松山、神戸、東京、奈良で企画展。
牧野 富太郎
1862年高知県高岡郡佐川町生まれ。自然を師とし、独学で植物の研究を始める。日本で最初にラテン語の学名を植物に付ける。生涯に命名した日本の植物は新種や新品種など1,500種以上、標本集めは10万点40万枚にのぼる。牧野日本植物図鑑発行(刊行)。1957年94歳で死去。
松林 誠
1962年高知生まれ。小学生の頃から漫画好き。授業中の教科書は落書きで真っ黒。そのかいあってか高校時には漫研部長。ペンと墨でカリカリ描くのが異常に好きで、先輩から君は将来エッチングをやるんやないと予言される。二浪を経て、1982年創形美術学校に入学。予言通り版画の虜となる。研究科に残り、1986年に版画課程を修了。1999年の12月から、研修派遣生として一年間パリのシテ・デザールに滞在し個展開催。DMをボルタンスキー氏に手渡す。「Room」2003年、「マコトバナ」「犬と花」2005年刊行。
松林 由味子
1960年高知生まれ。武蔵野美術短期大学卒。始まりは真だ、添だ、体だといっている枝に黄色いリボンを結びまくるという覚悟からだった。そのうち、野っぱらにイイ感じで生えている草々にリボンを結ぶインスタレーション「集う彼女達」開始。リボンと場所や空間との関わりの変容を楽しんでいる。近年「どくだみコレクション」と名付けたインスタレーションを、どくだみの花の咲く頃に気まぐれ開催。
山崎 道
1959高知市生まれ。1981年武蔵野美術短期大学専攻科油絵卒。1985年高知に帰る。絵画、インスタレーション、金工などグループ展、個展など。 
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