ギャルリももぐさ/百草
作品/百草
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赤木明登 曲輪入子 2005
赤木明登 展
2005 11月19日(土)〜12月4日(日)
11:00〜18:00
会期中無休
作家在廊日 11/19(土)・12/4(日)
シンポジウム「世代から」
赤木明登・内田鋼一
日時 11月19日()17:00〜18:00
茶会「枯れもの」
点心 長谷川まみ
点前 安藤雅信
日時 12月4日(日) I部 12:00〜
II部 14:30〜
料金 4,500円(点心・薄茶)
一席10名(要予約)
ももぐさカフェ
今回も簡単な昼食をご用意しております
見えない敵
 絵や彫刻などの美術、漆製品や陶磁器のような生活道具及び工芸品、衣服や住居などの生活必需品、どれも創造力によって「無」から生み出されるものではなく、既成のものに対する涸渇感から生まれている。絵よりもっと本物に近づけようとカメラが作られ、カメラでは写せないからと画家は光を分解して絵を描く。また、もっと動きやすくとスカートからパンツへと変遷していく。新しい動きや流行のきっかけには、必ずそういう涸渇感を敏感に捕まえるキーマンがいて、具体的に次の形を提示する。そのようなキーマンは、社会を広く見て次を模索しているのかといえばそうでもなく、意外に個人的な理由、自分にとって必要だからと新しいものを生み出す。
 自分にとって必要な日常への意識が、世代間で大きく変わりつつあるのを感じる。その先頭が昭和37年生まれ、つまり赤木君の世代だと思う。同世代にはアニメ的絵画の村上隆などオタク世代のトップランナーが多い。年上の世代の我々は、常に権力や社会に対する個がいて、上の世代を批判することで自分の存在を肯定する文脈が重要であり、日常は後から付いてくるものであった。それがオタク世代になると、社会という対立概念はなく、日常を社会に延長させ地続きにすることが重要になっている。権力的であった社会が堕落してきて日常的になったということもあるが、心地よい日常を拡げることで社会を変えようとする力を感じる。
 赤木君も作家活動11年。ここ数年、漆の作品も多面的な展開になってきた。昨年は漆仕上げの梯子とスコップの展覧会。今年は、食器に戻って、下地に布着せのない木地に直接漆を塗る赤木君曰く「プロダクト」に力を入れている。従来の漆作家が、漆工芸という既得権の中で仕事をしているのに対し、赤木君は中から広げようとしている。今回は輪島塗のブランドもその対象になり、漆の仕事が好きだからこそ、今までの価値に甘えず、突破口を模索しているかのようだ。
 「住む」15号で、赤木君の連載は坂田敏子さんを取り上げていた。そこで敏子さんが「男たちは、どうして闘おうとするんだろうねぇ」と呟かれたのが印象的だった。我々の世代の芸術家像は権威の傘に隠れた矛盾を暴くことだったが、これからの芸術は芸術という言葉すら放棄し、日常を突き詰め、延長したり、編集したりして、心地よさの要素を増やすことから始めるのだろう。見えない敵に向かって闘おうとする赤木君の勇気をこれからも見守りたい。
百草 安藤雅信
赤木明登 パスタ皿大 2005
 人を、日本人だとか、韓国人だとか、中国人だとか、アメリカ人だとか国籍や人種で区別することはどうでもいい。僕はただこころを通い合わせることのできる人と出会いたい。美術も、工芸も、生活道具も、民芸も、茶道具も、器も、オブジェも、古い物も、この時代の物も、目に見える形や言葉で区別することはどうでもいい。ただ、こころをふるわせる物と出会いたい。普遍的な何かが存在するのかどうか知らない。その輪郭すら見えないし、言葉にすることもできない。でも、永遠を一瞬にとどめたような何かが、人が作り上げた物の中に現れるのを知っている。そこに何かがあると、ただ信じていたい。と、さっき友達と話した。理由もなく、目的でも手段でもなく、ただそこにあることを「暮らし」と言うのだと思う。僕の作るものはこんな暮らしに奉仕する物であればいい。
赤木明登
出展作品
「輪島ぬりもの」 輪島塗下地に和紙を貼って仕上げた従来の定番
「能登根来」 江戸時代の輪島塗をイメージして、朱塗りで仕上げた塗物
「輪島春慶」 木地の木目が透けて見えるように塗って仕上げた曲物のシリーズ
「メタル・ワークス」 金属粉を使ったテクスチャーによる新たなシリーズ
「nurimono」 赤木デザイン・プロデュースのプロダクト、輪島発の塗物ブランド
赤木明登 略歴
1962 岡山県金光町に生まれる
1984 中央大学文学部哲学科卒業 世界文化社家庭画報編集部に入る
1988 退社後、輪島へ移住
1989 輪島塗下地職・岡本進に弟子入り
1994 年季明け後、独立 和紙を使った独自の漆器作りをはじめる
1997 ドイツ国立美術館「日本の現代塗り物12人」に選ばれ、海外でも高い評価を受ける
2000 東京国立近代美術館「うつわをみる-暮らしに息づく工芸」に招待出品
2004 ドイツ国立ディ・ノイエ・ザムルング美術館に作品が収蔵される
個展
1994 桃居(東京)
1995 梅屋(福岡) 桃居(東京)
1996 スペース幹(倉敷) 無名舍(京都) 梅屋(福岡) 遊中川(奈良) 桃居(東京)
1997 テーブルギャラリー(高知) ビェニョ(名古屋) 真木テキスタルスタジオ(東京)
1998 桃居(東京) 燈々庵(あきる野) 梅屋(福岡) 壺中楽(鹿児島) 遊中川(奈良) ヨーガンレール(福岡) 桃居(東京)
1999 百草(多治見) シャンゆめや(足利) サーブ倶楽部(広島) スペース幹(倉敷) 梅屋(福岡) ヨーガンレール(神戸) テーブルギャラリー(高知) 桃居(東京)
2000 ビェニョ(名古屋)ギャラリー観(郡山) ギャラリーぐうて(三原) うつわ菜の花(小田原) ヨーガンレール(帯広) 壺中楽(鹿児島) 遊中川(奈良) 住吉倶楽部(神戸) 桃居(東京)
2001 スペースたかもり(東京) 林檎舍(内灘) 夢石庵(福山) 梅屋(福岡) 高澤蝋燭店(七尾) 無名舍(京都) テーブルギャラリー(高知) サーブ倶楽部(広島) 桃居(東京)
2002 ヨーガンレール(静岡) ビェニョ(名古屋) ギャラリーen(高松) DeesHALL(東京) ヨーガンレール(帯広) 桃居(東京) 萬器(柏) 住吉倶楽部(神戸) 壺中楽(鹿児島)
2003 ギャラリー・ガゼボ(藤沢) ギャラリー観(郡山) うつわ菜の花(小田原) のきは(徳島) サーブ倶楽部(広島) ギャラリーen(高松) 岡山高島屋美術画廊(岡山) 百草(多治見) DeesHALL(東京) 桃居(東京) 梅屋(福岡)
2004 はなはな(金沢) ビェニョ(名古屋) ヨーガンレール(帯広) 工房イクコ(鎌倉) 壺中楽(鹿児島) ヨーガンレール(静岡) 萬器(柏) ギャラリーやまほん(阿山) ハンブルグ(ドイツ) テーブルギャラリー(高知) 陶倶楽部(西城) 住吉倶楽部(神戸) 桃居(東京)
2005 ビェニョ(名古屋) DeesHALL(東京) 陶九郎(加古川) 布土器(東京)ヨーガンレール(那覇) ギャラリーぐうて(三原) ギャラリー観(郡山) ヨーガンレール(静岡) 季の雲(長浜) ギャラリーen(高松) 百草(多治見) サーブ倶楽部(広島) 桃居(東京)
美術館展
1997 「日本の塗り物12人」ドイツ国立美術館
2001 「うつわをみる」東京国立近代美術館
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